会津の米と会津の水を生かした
こだわりの清酒造り
合資会社辰泉酒造
 
「京の華」ものがたり
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まぼろしの酒造好適米「京の華」

2003年 田植えより
  「京の華」は高名な育種家である工藤吉郎兵衛翁が創り出した酒米(酒造好適米)です。「亀の尾」直系の酒造米「酒の華」と兵庫県の酒造米「新山田穂」の交配により大正時代末(1920年代)に山形県庄内地方で生まれました。
 当社のある福島県会津地方でも、会津の土地に合った酒造米として広く育成され、会津の清酒が飛躍的に成長した原動力を担いました。
しかし昭和30年代(1950年代)、大量生産と効率化を求める風潮の中、「京の華」は会津や庄内をはじめ全国から徐々に姿を消していきました。
栽培が難しい上、生産性が低い為だと言われています。
 「京の華」は人々から忘れ去られ、まさに幻と化していたのです。
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「京の華」の復活
 「先輩たちが造り、育てた会津の米と酒を復活させ、この地に残していきたい」
社長(現会長)の新城新次は昭和55年(1980年)、福島県農業試験場にわずかに保存されていた「京の華」の種籾(たねもみ)を探し当て、栽培への取り組みを開始しました。
 しかし、一度田地から消えてしまった米を育てるには、稲作に対する深い知識と経験が必要でした。その時、力強い協力者が現れます。地元会津のベテラン農業家、古川儀一さん(故人)、斉藤徳美さん、弓田隆雄さんです。三人は社長の思いに共感し、米造りを引き受けてくれたのです。「京の華」は草丈が一般的な稲より高いためいかに、倒さずに栽培するかが鍵となりました。
 そしてついに、四年後の昭和59年(1984年)、わずか200グラムだった種籾が、酒が造れるほどの収穫量にまで達しました。幻の米「京の華」が復活したのです。

2003年 京の華の苗
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「純米大吟醸 京の華」の誕生
 新城新次と杜氏晴山成志はさっそく酒造りに取り掛かりました。
試行錯誤の末、「京の華」は低温仕込みでも米が良く溶け出し、
独特のまろやかさと旨みが出てくる事が解ってきました。
 こうして、「京の華」と会津の自然水のみを原料とし、低温長期もろみ
(10〜11℃で30〜32日)で熟成させた酒が完成しました。
 さわやかな果物のような吟醸香があり、口に含むとスッキリとした中に
まろやかで味わい深い米の旨みが広がる。そしてトロリとした触感が余韻
として残る。

 昭和60年(1985年)、「純米大吟醸 京の華」誕生の時です。
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変わらぬ情熱と挑戦
 まぼろしの米「京の華」を復活させ、新しい伝統の酒「京の華」を造り始めてから20数年。
平成19年、「大吟醸 京の華」が全国新酒鑑評会にて金賞を受賞いたしました。会津の地に育った「京の華」がついに全国に認められるまでになったのです。。
 しかし、米造りにも酒造りにも、これで完璧という言葉は存在しません。農業家弓田隆雄さんは今も変わらぬ情熱を持って酒造米「京の華」を育てています。杜氏晴山成志の挑戦も続きます。

 これからも辰泉酒造は「こだわりを持ちながら、清酒を美味しく造り続けて行きたい」と考えます。

2003年10月 刈取
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